業種・部門別 Excel活用ガイド

自社の現場に近いExcelひな形を選ぶ

毎年同じ表をゼロから作り直し、数式の崩れに気づくのは提出直前。そんな手戻りを減らすため、Satoh's Software Resource Centerでは業務ごとの表の組み方と数式の考え方を日本語で整理しています。

まず、近い業務から。

01 / 部門別の活用マトリクス

表の目的から、列を決める。

部門名を選ぶと、よく使う管理表と集計の視点が見つかります。まずは今の帳票に必要な項目だけを並べてください。

部門 表の例 主な集計軸 関数の例
営業 売上管理、顧客リスト、案件進捗 担当者・月・商材・案件段階 SUMIFS、COUNTIFS、XLOOKUP
経理 予算実績、経費明細、入金予定 勘定科目・部門・計上月 SUMIFS、IF、EOMONTH
人事 勤怠管理、休暇残数、評価記録 社員・所属・勤務日・評価期間 COUNTIFS、IF、XLOOKUP
総務 備品台帳、契約期限、問い合わせ記録 管理番号・担当・期限・状態 IF、COUNTIFS、TODAY
小売 在庫管理、売上日報、売れ筋分析 商品・店舗・日付・カテゴリ SUMIFS、COUNTIFS、FILTER
製造・物流 生産計画、作業実績、配送記録 品目・工程・便・納期 SUMIFS、IF、XLOOKUP

営業

売上管理・顧客リスト・案件進捗を、担当者や月、商材ごとに確認。

関数:SUMIFS、COUNTIFS、XLOOKUP

経理

予算実績や経費明細を、勘定科目・部門・計上月で整理。

関数:SUMIFS、IF、EOMONTH

人事

勤怠管理、休暇残数、評価記録を社員・所属・期間ごとに確認。

関数:COUNTIFS、IF、XLOOKUP

総務

備品台帳や契約期限を、管理番号・担当・期限・状態で追跡。

関数:IF、COUNTIFS、TODAY

小売

在庫管理と売上日報を商品・店舗・日付別にまとめ、売れ筋を確認。

関数:SUMIFS、COUNTIFS、FILTER

製造・物流

生産計画や配送実績を、品目・工程・便・納期で見える形に。

関数:SUMIFS、IF、XLOOKUP

関数名はMicrosoft Excelの関数表記です。利用できる関数は、お使いのExcelのバージョンによって異なります。

02 / 公共・対人サービスの業務別Excel

記録を整え、扱い方を守る。

集計のしやすさと情報管理は、表を作る段階で一緒に考えます。入力する人と閲覧する人を先に決めてください。

個人情報の取り扱いに注意。患者・利用者・児童・住民の情報は、必要な項目だけを記録し、アクセス権限や保管場所を組織の規程に沿って管理してください。

医療・介護

記録内容そのものを広げず、集計用の項目を分けて設計。日付、部署、記録区分など、報告に必要な単位から件数をまとめます。

教育

成績や出欠は、対象期間と評価区分を列で固定。入力ルールをそろえると、学級別・月別の集計を保ちやすくなります。

自治体

窓口対応件数は、受付日・窓口・用件区分を軸に集計。自由記述を集計列に混ぜず、分類項目を先に定義します。

非営利団体

会員管理と寄付記録は台帳を分け、会員番号などの識別キーで照合。閲覧範囲を限定し、必要な集計だけを共有します。

03 / 用途別の数式コレクション

数式は、集計の目的から選ぶ。

表の列名や条件範囲を業務に合わせて置き換えて使います。式の形を先に決めると、見直しも進めやすくなります。

条件付き集計

条件に合う売上を合計

担当者と対象月を指定して、売上金額を合算する形です。

=SUMIFS(金額範囲,担当範囲,担当者,日付範囲,対象月)

件数の確認

複数条件で件数を数える

担当者やステータスを条件に、未処理案件などの件数を数えます。

=COUNTIFS(担当範囲,担当者,状態範囲,"未処理")

判定と分岐

区分を条件で分ける

条件が増える場合はIFS、値ごとの分岐にはSWITCHも検討します。

=IF(達成率>=目標,"達成","確認")

検索と抽出

台帳から情報を探す

キーを使った照合にはXLOOKUP、条件に合う行の一覧にはFILTERを使います。

=XLOOKUP(管理番号,番号範囲,商品名範囲,"該当なし")

重複確認や突合では、照合キーの重複・空欄も合わせて点検します。FILTERやXLOOKUPが使えない環境では、利用中のバージョンに合わせた方法を選んでください。

04 / Excelテンプレートの入力設計

崩れにくい表は、入力前に決まる。

集計や並べ替えを続ける表には、記録の形をそろえるルールが欠かせません。

1行に1件を記録

日付や担当者を見出しにせず、各レコードの列として持たせます。

入力規則で表記を統一

部署名や状態はプルダウンから選ぶ形にし、表記ゆれを防ぎます。

空白行と結合セルを避ける

途中の空白や結合セルは、並べ替えや範囲指定の誤りにつながります。

配布時は保護範囲を決める

入力欄と数式欄を分け、誤編集を防ぐシート保護を設定します。

表の設計例

売上記録を1件ずつ並べる

日付
担当者
商品
金額
4/01
佐藤
商品A
12,000
4/02
田中
商品B
8,500

1行1レコードなら、月や担当者を条件にした集計範囲を保ちやすくなります。見出しは1行にまとめ、データの途中に空行を挟まない設計が基本です。

05 / 業種別の導入イメージ

現場の記録を、日々の判断につなげる。

帳票の用途を絞り、入力項目を使う人と揃えるところから始めます。

建設・不動産

案件と工程の見通し

案件番号を軸に、担当・工程・予定日・進捗を並べます。工程表は更新日と担当を残し、変更履歴を追える運用に。

飲食

日報と原価の確認

店舗・日付・商品別に売上を記録し、仕入れ情報と分けて管理。締め後の修正ルールも決めておきます。

士業

案件台帳と請求状況

案件番号、担当、期限、請求日を一覧化。顧客情報の閲覧範囲を組織内で定め、台帳の共有先を管理します。

小売・製造

在庫と実績の見える化

品目コードを共通キーにし、入出庫や生産実績を記録。在庫数の基準時点を決めると、担当者間の数値差を確かめやすくなります。

業務別Excelの相談

自社運用に合わせたテンプレート調整も承ります。

対象の業務、現在の表で困っている点、使っているExcelの環境をお知らせください。必要な列や集計条件を整理し、相談内容に合わせて確認します。

相談時は、表の目的、入力担当者、集計したい単位、利用中のExcelのバージョンをご用意ください。個人情報や機密情報は送らず、項目名などを伏せてご説明ください。